前川
大阪市でのコンクリート老朽化、相次ぐコンクリート落下爆裂現象
前川
大阪市平野区の学校の更衣室の天井からコンクリート落下する事故が発生しました。
小学校の子供が居る親としても大変心配になります。
約1か月前にも市議会の議場でも同様の老朽化によるコンクリート落下による事故がありました。
1980年(41年前)に建てられた市議会の議場、学校の更衣室は1976年(45年前)に建てられたそうです。なぜ強固なはずのコンクリートが落下してくるのか?
また皆様が住んでいる住宅も同じようにコンクリートが使用されています。
なぜコンクリートが落下したのでしょうか?
それはコンクリートの性質にあります。
まずコンクリートについてはこちらをクリック
コンクリ―トの、配合にあるセメント、骨材、水で混ぜ合わせ出来た物がコンクリートやモルタルになります。コンクリートの劣化は様々な要因はありますが、最も主要な要因にされるのが、コンクリートの中性化にあります。
レンガや、コンクリートの壁、今回のコンクリートの天井も中性化し、
中性化が生じるとコンクリートが白くなっていたり(白華現象についてはこちらをクリック)、水じみが生じていたりします。
また老朽化に伴い、コンクリートや住宅の基礎コンクリートにクラック(ひび割れについてはこちらをクリック)が生じます。
クラックが発生すると、その割れから雨水や、水分などが侵入して行きます
コンクリートは打設時は強いアルカリ性で、このアルカリ性の性質によってコンクリート内部の鉄筋(鉄)を腐食から守っていますが、車の排気ガスや、酸性雨、水、潮風などの塩害によってコンクリートは、表面から中心部に向かって中性化が徐々に進行していきます。
中性化が進行が進み、中心部の鉄筋に到達するとそれまでアルカリ性の性質に腐食を守られてきた鉄筋が酸性に近づいてきたコンクリート内部で鉄筋が急激に腐食し、腐食の影響により、膨張します。
膨張により、コンクリートは内部から崩壊に向かう現象を爆裂現象といいます。
鉄筋コンクリートの爆裂現象になります。
この様に手で触れただけで簡単に崩れてしまいます。
基礎コンクリートは住宅にとって大切な箇所になります。基礎についてはこちらをクリック
熊本地震や大災害に遭われた住宅でも基礎の崩壊は住宅を住めなくします。
またコンクリートの寿命というのは、この中性化が中心部に及ぶ年数の事を指します。
その年数が30年~40年といわれています。
また1981年5月以前の建物に関しまして、建築法がかなり変わります。
建築法が改定される前の1981年5月以前の住宅や建物には耐震という考え方が無く、震度5程の地震になら耐えられるという造りになっていました。また耐震基準にも支障がある為、耐震補強が必要となっています。(耐震とは?こちらをクリック)
また中性化を防ぐ方法もあります。普段は公共施設の高速道路や橋桁、トンネルの補修など公共工事で行っている施工があります。
トンネルでの施工
高速道路の橋桁での施工
エポキシ樹脂と強化繊維(アラミド繊維)を使用したハイブリッド工法。
タックダイン施工になります。
このタックダイン(エポキシ樹脂)とアラミドクロス(強化繊維)を使用したハイブリッド工法になります
なぜ樹脂と強化繊維で強度を上げれるのかと思われます。
樹脂と強化繊維は大変相性がよく、両者は強力に一体化することができ、樹脂が本来持っている粘着力、鉄の約7倍の引張強度を持っている強化繊維を併用する時、二つの異なる素材は互いに連携して一体化し、相乗効果を発揮して、被覆された構造体の体力を格段にアップさせます。
身近に使われている物
ハイブリッド工法を使用されている一部の例になります。
こちらは住宅の基礎補強工事。ハイブリッド工法タックダイン施工の写真になります
築20年~40年の住宅の耐震診断や、家屋調査を行っている弊社ですが、築年年数が経っていると、
水回りの水漏れ、水回りの老朽化による水漏れ、基礎コンクリートの劣化している住宅は多いです。
また基礎補強工事についてはこちらをクリック
年数が経つと仕方がないものですが、日々のメンテナンスや家屋調査をおススメします。
キズナファミリーホームのスタッフが親身になって、ご相談ご依頼にお答えします!!
お気軽にご相談ください!
大阪市コンクリート老朽化、相次ぐコンクリート落下爆裂現象でした